歯科健診の重要性

国民皆歯科健診とは

2022年に公表された「経済財政運営と改革の基本方針」の中に、「国民皆歯科健診」の導入を検討する方針が大きな話題を呼びました。
目的は健康の増進・健康寿命の延伸で、健康な人が増えることで医療費の削減を目指しています。

日本では1歳半~3歳までに義務付けられている歯科健診及び、小学生~高校生まで毎年行われている歯科健診があります。
しかし、大学生~大人になると自身の判断で歯科健診を受診する必要があり、そのため歯科健診の受診率が大幅に下がり、歯のトラブルを抱える人が多いのが現状です。
義務付けられている歯科健診を、大学生・社会人にも対象に行いましょうというものです。

国民皆歯科健診が導入される背景

健康寿命を延ばす

歯科健診が義務化される1つの理由は、歯科健診によって歯の健康を守ることは、全身の健康を守ることに繋がることが最近の研究で明らかになった背景があります。
また、日本国民の8割が罹患していると言われる歯周病も全身に悪影響を与えます。菌が血管内に侵入することで、脳卒中・心筋伷塞・認知症・骨粗鬆症・高血圧症・関節リウマチ・妊娠合併症などを悪化させる可能性があります。

国の医療費負担軽減

日本も2007年に超高齢化社会に突入し、国の医療費負担は増加する一方。こうしたことから、日本でも歯科健診を義務化することで虫歯や歯周病の予防と早期発見・早期治療へと繋げ、医療費の削減を目指しています。

歯科健診受診率の低さ

日本は先進国の中で目立って低い歯科健診の受診率であることが現状で、80歳時点での平均残存歯数が約15本に留まります。
歯科先進国の北欧やアメリカでは平均残存歯数が約25本という結果が出ており、歯科先進国と日本との差の大きな要因となっていると考えられるのが、定期的な歯科健診の受診率です。世界で予防歯科の意識が高まる中、日本では多くの方が、歯やお口に痛みの症状が現れてから歯科医院を受診しています。
国内の定期的な歯科検診の受診率は、約50%程度に留まります。

歯科健診義務化はいつから?

日本政府は、国民皆歯科健診制度の2025年導入を目指しています。
具体的な導入時期については、今後徐々に開示されていく事になると思われます。今現在(2023年12月時点)で明確な導入時期は定かになっていませんが、国民皆歯科健診の導入はご自身の歯の健康を考えるきっかけになると思います。
制度の開始を待たずに、ぜひご自身のタイミングで歯科健診の受診をスタートすることを検討してみてはいかがでしょうか?